【アパートの契約】
Jビザで留学される方の大半は3年未満の滞在であり、住宅を購入されるケースは皆
無であるため、ほとんどの方は賃貸住宅を借りることになります。ここでは賃貸住
宅を借りる際の基本的な考え方をまとめてみました。
【1.物件を選ぶ際の選択基準】
最低限、以下のものが挙げられます。
@賃料
月額500ドルの学生寮もあれば月額2,000ドルを超える高層アパートや一戸建てなど
ピンからキリまであります。また治安の良し悪しが家賃に影響を与えます。一般的
にドアマンやマネージャー(管理人)が24時間、常駐しているようなアパートはか
なり高額ですが、その反面、セキュリティが万全といえるため、文字通り「お金を
出して安全を買う」ことになります。(米国ではアパートといっても通用しません
ので、アパートメント=Apartmentと言いましょう)
A立地条件
勤務先(大学や研究所)から近いほうがベストですが、銀行やショッピングセンタ
ー等々、普段から頻繁に利用する施設からも近いほうがよりベターです。また学童
期のお子様がいらっしゃる家庭では、学校までの距離等も見逃せない重要なファク
ターです。(そういう家庭では、むしろお子様の学校所在地を基準にして居住エリ
アを決めることになるはずです)尚、その都市(街)における治安が良いエリアと
悪いエリアを職場のボスや同僚あるいは前任者から事前に聞いておいたほうが無難
です。
B間取り(広さ)
家族構成が「単身または夫婦のみ」の場合は1BR※、「夫婦+子供1〜2名」は2BR※
が目安になると思います。また日本のマンションやアパートと比較した場合、大き
めに設計されているため、1BRといっても日本の2LDKもしくはそれ以上の占有面積と
なる物件もあります。
※1BR=Bed Room(寝室)が1部屋+リビング+キッチン+バス(平均40〜60u)
※2BR=Bed Room(寝室)が2部屋+リビング+キッチン+バスが2つ(平均70〜100u)
Cセキュリティ対策
アパートの場合、ドアマンやマネージャーがいるか否か、駐車場はインドアか否か
、一戸建ての場合は自宅周辺の街灯が十分か否か、セキュリティゲートがあるか否
か、侵入者への警報機等が設置されているか否か等々、列挙すればきりがありませ
んが、決して忘れてならないことは「安全はお金を出して買う」ものであり「タダ
では安全は得られない」ということです。もともと日本人にはこの意識が希薄です
が、事件や事故を未然に防ぐ観点から、多少は家賃が高くなってもしょうがないと
割り切って、出来るだけセキュリティが整っている住宅を選びましょう。
D設備の充実度
まず、家具付き住宅(Furnished)と家具なし住宅(Unfurnished)に分かれます。
一般的に後者のほうが大半を占め、前者の場合は家賃が100〜300ドルほど高くなり
ますが、家具なしと言っても冷蔵庫やオーブンは大抵設置されております。また比
較的新しい物件では食洗機や洗濯機まで設置されており、家電製品が相当に充実し
ています。その上、都心部にある高級アパートではプールやジムまで完備している
ところもあります。次に駐車スペースの問題があります。通常は1BRに1台分、2BRに
2台分の駐車スペースが割り当てられますが、物件によっては1BRに2台分の駐車スペ
ースが割り当てられることもありますので、一家で2台の自動車を所有される場合に
は、確認する必要があります。その他、冷暖房や給湯設備の有無等々、挙げればき
りがありませんが家具※などは最初から備え付けられているほうがご自身で手配す
る時間と手間が省けて効率的だと思われます。
※家具の内訳:ベッド、ソファーセット、ダイニングセット、アイロン台等
【2.契約上の注意】
以下の点を必ず確認しておきましょう。
@期間
契約期間は通常1年となります。また短期滞在のケースだと1ヶ月毎に契約(更新)
する方法もありますが、この場合は賃料も1ヶ月毎に変更する可能性があります。
また隣や階上の住人が騒がしいといった理由で引っ越そうと思っても、一般的には
途中解約が出来ないため、2年あるいは3年といった長期滞在を予定されていても、
1年毎に契約(更新)したほうが無難と言えますが、他方、2年や3年という長期間
での一括契約が可能な場合、賃料の面で相当有利に交渉(値引き)できる可能性も
ありますので一概にはどちらが良いか論じることが出来ません。尚、解約の条件と
しては、契約後1年経過、2ヶ月前の申告、1ヶ月分の違約金というのが一般的です。
A敷金・礼金・その他
Deposit(Security Depositと呼ぶこともある)が日本の敷金に相当。契約時に賃
料の1〜2か月分を支払います。このDepositは退去時の修理費や補修費に充当され、
差額は返金されます。またApplication Feeは日本の礼金に相当、Down Paymentと
いう名目で徴収されることもあり、契約時に50〜100ドル程度を支払います。但し、
不動産会社によっては賃料の1ヶ月分程になる場合もあります。また一部の不動産
会社ではクレジットヒストリー(以下CH)を求められることがありますが、渡米し
て間もない日本人には当然ながらCHがありませんので、割高なDepositを請求され
るケースもあります。
B契約書へのサイン
英語に相当の自信が無い限りはその場でのサインは止めて、可能であれば一旦、持
ち帰り、契約期間の延長・解約時に対する取り扱い(ペナルティの有無)やDeposit
の返金に対する条件、備え付け家具や壁・床等に対する汚れや疵に対する補修義務
などをしっかりと確認しておきましょう。また入居直前に部屋の写真を撮っておく
と、誰もが遭遇する退去時の「身に覚えの無い大家からの不当な請求」を避けられ
る可能性があるため、ダメもとでトライする価値は十分にあると思います。
C公共料金
電気・ガス・水道などの公共サービスを総称してユーティリティと呼びますが、ア
パートの場合、水道料金は家賃に上乗せして徴収されるケースが一般的です。この
ため、ご希望の物件がどのようなユーティリティを敷設しているのか、予め確認し
ておきましょう。
D必要書類
●申込書
●SSN(取得してない場合はパスポート番号でも可)
●申込金
【3.入居する際の心構え】
「来月に帰国する研究室の先輩の部屋を借り受ける」あるいは「先日、単身で渡米
して生活のセットアップは完了済み」という方は別にして、大半の方はビザが発給
された後にはじめて渡米し、その足で住宅の手配を行います。しかしながら言葉も
通じなければ右も左も分からない見ず知らずの街で、いきなりアパートを探そうと
思ってもかなり無理があります。その上、乳幼児が同行している場合にはなおさら
大変です。
このため、最初の1週間くらいは思い切ってホテルに宿泊し、職場のボスなどから
地域の情報を収集し、自分(および家族)の生活スタイルに合った物件をじっくり
と探すことが最も重要だといえます。また家賃は「少しでも安く」と思うのが人情
ですが、家賃が安い=治安が悪いことに起因しているかもしれません。1年とか2年
とか長期にわたって居住するわけですから、出来るだけ快適に過ごせるような住環
境を慎重に選びましょう。

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